大好き通販デザイン!EC系デザイナーの徒然ブログ

Amazon、楽天など商品画像・バナーなど全般請け負うSOHOデザイナーです。

「本当に売れる画像作れるの?」と思われる方へ

ブログサボってました。

時期的にものすごく忙しくて、ついつい仕事にかまけて(?)おりました。

 

ココナラさんとの文通は、ブログをしばらく更新していない間も続いていました。
新たな事件があったりして、実は書きたいこともあるのですが…

今回は、クライアント様に向けて書いてみようと思います。

多少、口幅ったい内容になりますが、私がフリーランスとして自負をしているところでもあるので、参考になれば幸いです。

 

外注デザイナーに…
とりわけココナラやランサーズなどで「通販画像作ります!」「売れる商品画像、プロが作ります!」と言うデザイナーに依頼してみようか、どうしようか、迷われている方は多いでしょう。
「本当に売れる広告画像を作ってくれるの?」と不安に思われますよね。

はっきり申し上げると、一度依頼して腕を確かめるのが一番良いと思います。
依頼内容を理解する能力、それをどのように具現化するのか、またビジネスマンとしてのやり取りのレベルは…などなど、様々な評価軸がありますから。

それに、商品画像やLPの場合、実際に掲載して運用しないと、裏付けとなるデータは取れません。

とは言っても、なんか手がかり欲しいよね…と言う方に、私自身が広告デザイナーとしてどんな経験を活かして実績を積んでいるのかご説明いたします。

こういう経歴のやつが、通販画像の制作で成果を上げているのか、という一例としてみていただければと思います。

 

私の大きな武器は、以下の経験とノウハウです。

1:イラストレーター、絵描きの経験
2:漫画家の経験
3:書道(有段者)の経験
4:家庭教師の経験
5:サービス業各種の経験
6:広告代理店でのDTP、デザイナー、アートディレクターの経験
7:Webメディア運営会社でのWebディレクター、マーケター、コンサルタントの経験

 

その他、少なくとも30年以上(現在、30代後半です)生きてきた人生経験のなかで学んだことや、身につけたことは全て役に立つと自負していますが、特に書き出すと上記の7項目です。

 

おそらく、6、7あたりは説明をせずとも、ご理解いただけるのではないかなと存じますが、1〜5がどう広告に生きるの?とお思いになるのではないでしょうか。

 

各々で学んだと自覚することを簡単に書き出すと、こんな感じになります。

1:イラストレーター、絵描きの経験
  →企画構成、絵画的視覚作成、画面構成

2:漫画家の経験
  →企画構成、絵画的視覚作成、画面構成、コピー含めライティング全般、タイポグラフィ

3:書道(有段者)の経験
  →絵画的視覚作成、画面構成、タイポグラフィ

4:家庭教師の経験
  →コピー含めライティング全般、ディレクション

5:サービス業各種の経験
  →ディレクション、リサーチ、分析

6:広告代理店でのDTP、デザイナー、アートディレクターの経験
  →紙媒体データ作成、DTP全般、Webデザイン、グラフィックデザイン、企画構成全般、ディレクション全般、提案、見積もり

7:Webメディア運営会社でのWebディレクター、マーケター、コンサルタントの経験
  →Webディレクションマーケティング、コンサル、提案、見積もり

 

絵描きや漫画家はわかるけど、書道も?とお思いになりますよね。
私は幼稚園から15年ほど、師匠に師事していましたが、中学生頃から書道に学んだのは「字を書くこと」ではなく「半紙をカンバスと見立てること」でした。


つまり、書道そのものが画面構成の修行でした。


小学生いっぱいは筆をうまく使う練習の時期でしたが、そのあとは字を美しく書けるどうかよりも、むしろ半紙の空白の部分「間」をどう生かすか、どう見せるか。
単語の意味と形状に合間って、空間美をどう構成して伝えるかが、課題でした。
私にとっては、書道そのものがデザイン作業でした。

私にとっての絵画を描くこと、イラストを描くこと、漫画を描くこと、書道、これら全て「構成」を要するもので、構成とは「理論」を要します。
なぜ、そこをそのようにするのか?
その理由なく「構成」はできませんから、目的を定めて「伝わる」ように「作り上げ」なければなりません。
私は、これは「広告デザイン」そのものだと考えています。

書道は幼稚園からでしたから、おそらく最初に私の出会ったデザインが書道でした。

 

小学校中学年頃からは、イラストレーターの天野喜孝氏や、画家ではクリムトミュシャビアズリーに憧れて、イラストや漫画を描き散らす時代が訪れます。
小中高と暇さえあれば絵や漫画を描き、20歳頃は某K談社で漫画を描いていました。
ただ、そのあとすぐに自分の能力が疑わしくなり、描けなくなり、担当さんのアドバイスが理解できず、背伸びしてビジネス誌に描いているのに社会人経験が皆無でした。
担当は私の社会人経験ゼロから生まれるアイデアを評価してくれていたのにも関わらず、強いコンプレックスを抱えてしまい、普通の会社員を目指して就活を始めてしまいました。
絵描きとしてはグループ展に出して、ちょこちょこと雑誌のカットや個人的な依頼を受けたり、細々としたイラストレーター活動をしていました。

 

この、現役で絵や漫画を描いていた時代には気づけなかったものが、まさに今の広告マンとして・広告デザイナーとしての基礎中の基礎です。
「目的を達成するため、人にどう伝えるかを構成する」。
これが身についていないうちは、広告デザインを独立して請け負うには早すぎただろうなと思っています。

 

若い頃は「描きたいものを描きたいように」しか筆が動きませんでした。
非常に独りよがりな作業とマインドだったとはっきり反省・自覚できたのは、実際社会に出てデザイナー職についた頃からです。
受け取る側の人がいて初めて成り立つのがデザインの仕事であると、初めて自覚したのです。 

その自覚が、私の向いている分野は広告であるという自信にもつながっています。
元は画家や漫画家になりたかったのに、自分はその能力に欠けていると感じて一旦ドロップアウトしましたが、どうしても美術分野に身を置きたかったからこそ、広告代理店に潜り込んだのです。
無意識に、ロジックを美術的感覚と融合する広告デザインを選んでいたのかもしれません。

技術や理論に基づいて設計をするという頭の上に、絵画的・美術的視覚表現を感覚的に行えるのが、私の売りです。

 

「ものを作る」ことは、まるで「自由で、アイデア一発でチャチャッとできる」ように思われがちですが、たとえシンプルに見える創作物でも、その形を作り上げるまでに緻密な理論立てをして、ちゃんと意図が伝わるよう、デザイナーは考えに考え抜いています。

しかし、基礎になる経験やマインドがないと、考えることも、考えることが必要だということもわからないまま「真似事」「なんちゃって」に終始します。
つまり「理論、ロジック」「戦略、企画」なしの「感覚」に頼った制作になってしまいます。
漫画家を断念したところまでの私は、そのレベルだったのだろうなと思っています。
パッと見はそれらしく、綺麗で、ちゃんとした仕上がりに見える。
でも、そこにどんなロジカルな工夫やプロットがあるのかとなると、当時の私は今のように掘り下げた構想を持たないで、勝手なイマジネーションやファンタジーで物を作っていただけでした。


正直に申し上げて、そのレベルでもお仕事を取れてしまう方法が、今ネット上にたくさん存在します。
私が若い頃、今のようなネットインフラがあり、サービスサイトが充実していたら、きっと軽々に「仕事になる!」と浅はかな考えで受注を取ろうとしてしまったかもしれません。
ココナラ、ランサーズ、クラウドワークスなどにサービスをPRしておけば、それこそ価格を安くしておくだけで、予算だけを条件とするお客様のお仕事は簡単に取れます。

自分の都合、自分の利益、充実感、承認欲求、自分が何かを得たいだけの気持ちでお仕事を取ろうとするのはプロのすることではないのに、それすらもわからないまま「安い早いうまい」みたいな看板を掲げて、知的職業であるイラストレーターやデザイナーの職を貶めていたかもしれません。
 

外注のデザイナーにお仕事を頼もうかな?と思うときは、必ず実績や作品を見るのは言わずもがなですが、どんな経験をしているかを聞いてみるのも1つと思います。


その上で発注するかしないかを判断するのは、やはりお客様自身ですから、お客様ご自身も「どんな人なら頼もうと決断できるか」と言う指針や、基準をお持ちになると良いですよ。

 

また、単純に経験値が少ないだけで、能力の高い金の卵もたくさんいます。
その金の卵を見つけ出せるかどうかは、クライアント自身の目利きです。
ポテンシャルを見出すセンスがクライアントにあるかどうかという問題もありますし、金の卵も経験を積めなければ孵化しません。
卵と鶏どっちが先かじゃないですが、EC画像1つ依頼しようと言うだけでも大切な予算ですから、しっかり見極めていただきたいと思います。 

 

ちなみに、私は作家業に身を置くという夢は捨てていなくて、やっと今の自分だから持つことのできるテーマを、創作に活かしていきたいとも思っています。

いつかまた、漫画家業を再開できたらなぁ。

自分の大切な確固たるテーマを持てるというのは、その人自身が「自分を知る」ということ。

イコール自分の使命を知ることなのじゃないかなと思っています。

今はまだ、粛々とクライアントの利益を生めるプロフェッショナルであること、常にそうあらんとすることが、目下のミッションですね。